◆【レビュー】『Xenoblade ゼノブレイド』◆

     

■タイトル Xenoblade ゼノブレイド
■プラットフォーム Wii
■ジャンル RPG
■発売元(開発元) 任天堂(モノリスソフト)
■発売日 2010年 6月10日
■価格 6,800円(税込)

 



 私はRPGが嫌いだ。

イライラする移動シーン、かったるい戦闘、頻発する読み込み時間、
すべてにおいて「面倒くさい」からだ。そのようなわけでよほどのことがない限り
自主的にRPGを買うことはなかった。 2010年に発売された『ゼノブレイド』もそうだ。
発売後に話題になっていたことは知ってたが、上記理由からスルーしていた。

…スルーはしていたが、周りの評価がやたらと高い。
内心「過大評価じゃないか?」と常に気になっていた。そんなこんなで数年が経過。
そこへ同スタッフの新作「ゼノブレイドクロス」の発表。さらにスマブラへの参戦。
一体、何が良いのか? ますます気になってくる。

 「いい機会だ、RPG嫌いの自分が辛口にレビューしてやろう」 

思い立ったら行動は早い。さっそく購入しプレー開始。

 ・・・

気が付けば数十時間を突破。仕事帰りで疲れても夢中で遊んでる自分がいた。
熱い。このゲームは非常に熱いぞ。グイグイ引き込まれていくじゃないか。
それもそのはず、RPG特有の「面倒くさい」要素が見事に解消されていたのだった。
以下、具体的に記述していこう。
 
 ■ストーリーが熱い

 非常に濃いストーリーであるが、ざっくり一言で説明すると「人間」対「機神兵(ロボット)」という内容である。Wiiだからそんな過激なシーンはないだろうと甘く見ていたが、これがかなりエグい。オープニングからザクザク人が殺されていくシーン全開。絶望的状況からゲームは始まる。

この設定が実際のゲームにも反映。まず機神兵には通常攻撃が効かない。ダメージが1しか当たらない絶望感はプレイヤーにも恐怖を植え付ける。
もちろんそのままではゲームが進まないので、次第に打開策を見付けていくわけだが、この見せ方が非常に熱い。熱い上にプレイヤーの予想を裏切る展開の数々で先が見たくなるストーリー。

メインとなるストーリーは基本的には1本道である。しかし途中にサブクエストやキズナトーク(キャラクター同士の好感度が上がった状態でしか見られないイベント)が各所に散りばめられており、総合すると膨大なイベント量となっている。もちろん全部見る必要はない。
最短ルートでクリアを目指すもよし、長時間かけてじっくり世界観に浸るもよし。ゲームの進行をプレイヤーのやりたいように委ねられているのは嬉しいところ。

 

開始早々、圧倒的戦力を見せつける機神兵。
 ■マップ探索が熱い

 ゲーム開始直後、読み込み時間わずか数秒で広大なマップが目の前に広がる。
単なる平坦というわけでなく、高低差がふんだんに盛り込まれたマップ。そして見える場所にはほぼ歩いて行ける。いわゆる「見えない壁」がない。歩けば歩くだけ見たことのない地形がどんどん目の前に広がる。一体どんなプログラムを組んだらこんな高速に読み込めるのか、ゲーム開始早々にド肝を抜かれる。

しかし広大なマップと言えば「移動が面倒くさい」のでは? と思いきやご安心を。もちろんその対策もバッチリ行われていた。それが「ランドマーク」システムの導入である。ランドマーク(新しい場所)を発見した際には経験値が入る。つまり楽しくマップ散策をしている過程でレベル上げまで達成してしまうのだ。 なんとも目からウロコなシステムである。発見したランドマークにはワンボタンでワープできるのも嬉しい配慮。

いやー、まさかRPGで移動が楽しいと感じるとは。恐れ入った。
セーブがいつでもどこでも出来るので、戦闘せずに探索だけして終わるという日もしばしば。
 
 

広大なマップをわずか数秒で読み込み完了。
時間・天候・BGMも変化する。
次の目的地が常に表示されているのも非常に助かる。

 ■バトルが熱い

 バトルは、マップ上をうろついてる敵をロックオンすることで開始する。もちろんここでもシームレス。しかも通常攻撃は自動で行われ、「アイテム」「防御」などのRPGで定番なコマンドも一切ナシ。そもそもバトル終了後にはHPが全回復するので回復アイテムという概念自体が無い。これでもかと簡略化された操作系である。

序盤のうちは特に操作することもなくあっけなく終了してしまい、何が面白いのか分からないかもしれない。がしかし、アーツ(いわゆる必殺技)が充実してからは手元が大忙しに。アーツは通常攻撃と異なり、ボタンを押すタイミングで発動するのだが、背後から当てる、転倒させた状態で当てるなど、条件によってダメージ数が大幅に変わってくるため次第にプレイヤーの腕が試されるようになってくる。うまく大ダメージを叩き出せた時は非常に快感である。

また、通常攻撃も装備(ジェム)を付けることで変化。
素早さ系ジェムを付けてダブルアタック(2回攻撃)を狙おうか、はたまた防具系のジェムを付けて超硬いキャラにしてやるか、といった具合にお気に入りのキャラを自分好みのステータスにすることが可能。ついつい素材集めに夢中になってしまう。

戦闘を盛り上げるキャラクターボイスの量もハンパない。うるさいほどによく喋る。必殺技を叫ぶのは当然のこと、特筆すべきは「キャラクター同士の会話」だ。
戦闘に参加したキャラクター同士がフルボイスで会話をするのだ。

 ダンバン「昔の感覚が戻ってきたか」
 リキ  「昔とお菓子って、似てるも、ダンバン!」


など、フザけたものから真面目なものまで。1人が喋るとそれに対するセリフを他のキャラが喋る。キャラクターの組み合わせでいったい何パターンあるんだよってくらい喋りまくる。
そんな楽しいボイスを聴きたいために、ついつい必要以上に敵をロックオン。
サクッと始まってサクッと終わる。実に楽しく快適なバトルに仕上がっている。
 
 

歩いている敵をロックオンするとバトル開始。
暗転も読み込み時間も一切ナシ。


「チェインアタック」「ビジョン」など
使用可能なコマンドは増えていく。
次第にバトルは大賑わいに。

 ■総評

 広大なフィールド、剣と魔法とメカ、こんなRPGを遊んでみたかった!
と子供の頃に妄想したRPGそのものである。
それでいて「面倒くさい」を一切排除。無駄が無い。
このゲームは文句なしの満点だ。長いことスルーしててスマンかった!

不満点というのは無いが、強いて言えばHD画質ではないというところか?
しかしそれでもWiiとは思えないほどの美麗だし、仮にグラフィックを
今より強化しても爆速なロード時間が長くなったんじゃ元も子もない。

「昔の○○は良かった」と発売されもしない続編を待ち続けている人、
「国産RPGって、PS中期あたりから進化が止まったよね」
と、不満を言ってる人こそ遊んでいただきたい。
雰囲気が少しでも気になった方は買い。

プレー後に、総監督の高橋さんという方、元スクウェアというのを知って納得。
雰囲気が全盛期のスクウェアっぽいと思ったらそういうことか。
 

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