◆【レビュー】朧村正◆

     

■タイトル 朧村正(おぼろむらまさ)
■プラットフォーム Wii
■ジャンル 絢爛絵巻和風アクションRPG
■発売元(開発元) マーベラスエンターテイメント(ヴァニラウェア)
■発売日 2009年4月 9日
■価格 7,140円((税込)

 



 プリンセスクラウンで魅了され、ヴァニラウェアの虜に。次作オーディンスフィアを期待しつつ購入するもガッカリ落胆。
次はもう買わなくていいかなと、内心気になりながらもスルーしてた新作「朧村正」。 しかし意外にも購入者からは評判がいいではないか。今回は大丈夫なのか?!そんなわけで、買ってみた。あらビックリ。今までで一番面白いじゃない。

今更レビューしても出尽くしてる内容になるが、ここは過去作品経験者として比較しつつ紹介していきたいと思う。

 ■システム

 基本はいつもの2DアクションRPG。主人公の可愛いお姫様が大暴れ。 敵を倒してレベル・お金・魂を稼ぎ、刀を作って攻撃力アップ。
主人公のアクションは格闘ゲーム並に用意されており、浮かせ技、空中コンボ、追い討ち、と多様。 さらに武器固有の必殺技が用意されていたり戦いがマンネリにならないような配慮がされている。アクションゲームとして十分に面白い。

 しかしこのゲームの最大のウリはなんといっても『グラフィック』。
2Dゲームってここまで作れるんだと圧倒されるほどの超絶美麗グラフィックである。毎度おなじみの滑らかなアニメーションもすごいが、特に今回は背景の書き込みは尋常ではない。
風や光の表現がとにかく素晴らしい。草原にはトンボが飛び、渓流には魚が飛び跳ねるといった「ここまでやるか」というくらい細かな演出。
ついつい次の背景見たさに先を急いでしまう。

グラフィッカーの方、いい仕事してます。



手の込んだ背景。しかも多重スクロール。


主人公は百姫と鬼助の2人。
ストーリーとボスキャラが異なる。
 ■改善された不満点の数々

 さて気になるのは不満点。
過去作品(プリンセスクラウン、オーディンスフィア)には必ず何かしらの不満要素があった。これはもうシリーズ定番のものだと思っていた。
しかし今回はそれらが一切ない。見事に解消されているのである。

 まず読み込み。
長い読み込みはシリーズ伝統…ではなくなった。 超絶グラフィックにも関わらずロムカートリッジ並に皆無。 その上、演出は今まで以上に派手になっていながら処理落ちは一切なし。巨大キャラが画面を埋め尽くすほど登場しても一切処理落ちなし。これには驚かされた。技術力の向上が伺える。

 またシステム的にも大きな変化がある。
それは「攻撃に制限がない」ことである。 今までの作品だと「攻撃を出すとある一定時間動けない」という意味不明な縛りがあった。今作はこれを廃止。おかげで何も気にせずザクザクと敵を斬り刻める爽快アクションゲームへと進化。アクション苦手な人でもボタン連打してるだけで気持ちいいという快適な仕様となった。

 他にも、これまでは材料と調理道具の準備が必要だったマニアックな料理システムも、今回は材料のみで料理可能という。面倒くささを排除した作りに改善。 徹底的にストレス要因をなくし、ようやくヴァニラウェアの完成品を見た気がする。 



料理。ボタンを押すごとに一口ずつ食べるという。
無駄に凝った演出。


巨大キャラが多数登場しても処理落ちなし。
オーディンスフィアの時はヒドかったんだってば。

 ■総評

 これはもうゲームという名の芸術品。
2Dを極限まで進化させるとこんなとんでもないものが作れてしまうんだなと。ゲーム開始からエンディングまで驚かされっぱなしだった。 やっぱ据え置きゲームもいいもんだな、と久しぶりに感じさせられた。絵が少しでも気に入ったなら迷わず買い。あとなにげにマルチエンディングなのでそこそこやり込み要素はあったりする。

 しかし今時ここまで時間とコストをかけた手の込んだゲームは珍しいよ。 続編・リメイク・移植ものみたいなお手軽ゲームばかりが氾濫するこのご時世に、あえて2D新作に挑むメーカーなんて貴重。 全力で応援するべき。
(発売日にスルーしてたヤツが言う台詞じゃねぇな)


ちなみに2010年2月28日に低価格版 \2800が発売。 買いです。


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