◆【レビュー】『初音ミク and Future Stars Project mirai』◆

     

■タイトル 初音ミク and Future Stars Project mirai
■プラットフォーム 3DS
■ジャンル 3Dリズムアクション
■発売元(開発元) セガ
■発売日 2012年 3月 8日
■価格 通常版 6,090円(税込)
ぷちぷくパック 7,140円(税込)

 



 3DSに初音ミク新作が登場!!
任天堂カンファレンスで発表されて以来、今か今かと待ちわびた新作がついに発売されたのである。
しかしこれが予想していた以上に低年齢向けパッケージで売り出されたものだから困ったもんだ。
「はたしてこんな汚れたオッサンが買っても平気だろうか」と若干の不安を覚えつつもプレー開始。
その不安はすぐにかき消されることになる。

 「 か わ い す ぎ る ! 」

発売日の深夜24時。気が付けば身悶えしながら叫んでいた。


 ■システム

 基本システムは『Project DIVA(以下DIVA)』と同様である。画面に表示されたボタンをタイミング良く押せば高得点。ミスせず連続で押せればコンボとなり、さらに高得、ってな感じのよくある音ゲー。
 ただDIVAと違い得点の集計方法がユルくなっているため、単純にクリアするだけなら音ゲー苦手な初心者でも最後まで遊べる優しい作りとなっている。
そんなわけで純粋に音ゲーとして評価すると「特に尖ったところはない良ゲー」といったところであろうか。

 これだけ聞くと「あぁなんだ、結局はDIVAと同じか」と思われるかもしれないが、そんなことはない。やってみると気付くがさまざまな差別化が施されている。一言でいうと「密度が高い」のである。



2画面になったことで得点系等などはすべて下画面に移動。
おかげでメインとなる上画面がスッキリ見やすくなった。


 ■「かわいさ」の密度が高い

 今回のポリゴンモデルは見ての通り3頭身。当初は「こんなの初音ミクのゲームとしてどうなのよ?」と不安に思ったが実際にプレーしてみるとこれが実にいい。ねんどろいど製作スタッフの監修が入っているのも大きいのだろう、とにかくよく出来ている。
短い手足を一生懸命バタつかせながら表情豊かに踊りまくる。見ているだけでこっちまでニヤケ顔になってしまうほどの抱き締めたくなるほどキュートなグラフィック。 ねんどろいどの破壊力がこれほどのものかと思い知らされた。

 かわいい! かわいい! かわいすぎる!

 また、ハードウェアが3DSになった恩恵も大きい。
ポリゴンとは思えない柔らかそうな質感、コスチュームには無駄に高原処理、3キャラ同時ダンス、指先までグリグリ動かしたり、これまでの携帯ゲーム機では考えられない重い処理をさらりとこなしているところはさすがAM2研スタッフといったところか。それでいてロード時間が爆速(1〜2秒)だったりするからヤメられない。



あと、なにげにツインテール部分にも当たり判定があって、
床にめり込まない(ぐにゃっと曲がる)ところに職人魂を感じた。


 ■「収録曲」の密度が高い

 収録曲はポリゴンモデルの曲が13曲、2Dの曲が8曲、合計21曲である。
「あれ?少なくない?」と思われるかもしれないが、ポリゴンモデルのほうはボーカルチェンジが可能で+16曲ほど収録されており、総合計は37曲と見かけによらず実は多かったりする。

 さらに特筆すべきは「曲がフル尺」になったことだろう。

すべての曲がフル尺で収録されているのである。1曲のプレー時間が5分ほどかかるという音ゲーとしては無謀な作りにも感じるが、意外にもこれが良かったりする。
というのも『悪ノ娘』や『どうぶつ占い』といった「フルで聞かなければ良さが伝わらない曲」というのがメインで収録されているからであったり、PVもフル尺を意識して凝った作りになっているから思ったほど長いとは感じないのである。逆に慣れるとフル尺のボリュームが病み付きになったりするくらいだ。

 まぁでも音ゲーの評価は収録曲の好みによって分かれるのでどんなこだわっていようと結局は好みの問題になってくるわけではあるが。
個人的には『私の時間』、『ハッピーシンセサイザ』、『SING&SMILE』、『LOL』、と、ドストライクな曲が4曲も入っていたので大当たりであった。



フル尺だからこそ収録できた『悪ノ娘』。


個人的に今回一番ヒットの『ハッピーシンセサイザ』
PVも、めちゃくちゃかわいい。


 ■その他のモード

 音ゲー以外のモードも凝っている。
PVモードはSDカードにスクショ保存ができるのは当然として、今回はなんとPVに「ニコニコ動画風にコメントを投稿できる」という機能が付いているから面白い。しかもこれがすれ違い通信対応という無駄に凝っている(笑)
PVがだんだん他人の書いた文字で埋まっていくのは今までにない楽しさがある。このゲーム最大のやりこみ要素ともいえよう。すれ違った時には「おぉ、こんなところにもミクユーザーが!」みたいな格別な喜びがある。

他にも、ミクたちと写真撮影ができるAR撮影モードや、スケジューラ(これは意味あんのか?)まで入っていたりと、無駄に色々詰め込んであったりする。

ちなみにイヤホンを差した状態で曲をかけたまま3DSをスリープモードにすると、ミュージックプレイヤーにもなったりする。ここもフル尺の恩恵を受ける部分である。CDを買わない派の自分としてはオトクな感じだった。


他人とコメントがかぶったりするとけっこう嬉しい(笑)


AR撮影はこんな感じ。撮影用フレームもいくつか用意されている。
 ■総評

 ねんどろいどにモデルチェンジ、曲のフル尺収録、保守的な続編ではなく、
チャレンジ精神溢れる続編を製作してくださったスタッフの方々に感謝を述べたい。期待以上の出来でした、と。
ミクファンでなくとも、スクショを見て一瞬でも「かわいい!」と思ったら買い。
毎度のことであるが、ミクの知識がほとんどない自分がここまで楽しめてるのだから間違いない。最高に「かわいい」癒しゲーである。
ガッツリ遊ぶ系ではなく、疲れたとき、癒されたいときに、2〜3曲プレーするスタイルが理想かな。モチベーション上がること間違いなし。
そういうのを求めているオッサンの方々にもオススメしたい。(自分のことなんだけど)

 最後に。分かりやすい例としてDIVAと比較して書いてしまったが、別にDIVAより優れているといいたいわけではなく、
それぞれ違ったベクトルの「かわいさ」があるわけで、両シリーズとも今後シリーズ化して欲しいなと思う次第である。





念のために書いておくけど、「パンツは見えません」。
スタッフ曰く、「CERO A」を死守したかったとのことで。ここだけは次回作で改善して欲しいところである。(アンケートに書いといた)



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